フォークリフトの公道走行について
フォークリフトは道路交通法で定義される「公道」を走行可能ですが、公道を走行する条件を
遵守する必要があります。
以下に、公道走行条件、禁止事項、罰則などについて説明いたします。
■公道走行条件
公道を走行するには、他の自動車と同様に「登録した車両」を「運転免許を取得した者」が
運転する必要があります。
※公道を走行できるフォークリフトは、道路交通法を遵守している車両です。
普通自動車と同じようにナンバーを取得して、自賠責保険に加入し、
登録した車輌区分に応じた車検を受け車輌に応じた運転免許も必要です。
■公道上の禁止事項
公道上での荷役作業、運搬走行については以下の理由により原則として禁止されています。
①公道で荷物の運搬は不可
フォークリフトには最大荷重は設定されていますが、最大積載量の設定がない為、何かを
積載して走行することそのものができません。積載した時点で過積載となります。
※例え道を挟み横切る程度や近場への運送であったとしても公道を走る場合は、
積載が可能とする車輛に積み込み運搬を行うことが必要です。
②公道で積みおろしする場合は、所轄する警察署へ申請が必要です。
道路工事等と同じで、道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為となる為公道での作業に
は、道路使用許可が必要です。
公道での積みおろし作業を必要とする場合は、所轄の警察署に申請して許可を得る必要があります。
③牽引して走行することは禁止
道路交通法第59条では、牽引は「牽引するための構造及び装置を持つ自動車が、牽引されるための
構造及び装置を持つ自動車を牽引すること」と定められています。
どちらも有していないフォークリフトは、公道を牽引走行することはできません。
④公道で黄色回転灯(パトライト)の点灯は不可
黄色回転灯は作業用の灯火であり、道路運送車両の保安基準第42条で「走行中は使用しない灯火」と
されています。
黄色回転灯を点灯させて走行することは他の車の妨げとなりますので、公道を走行する際には、
黄色回転灯を点灯させることは違法となります。
※上記、①~④は原則禁止事項となります。
■違反になった場合の罰則
原則禁止事項は、すべて法に基づいていますので違反をすれば当然罰則があります。
公道での積載走行は過積載となるため、違反した場合は道交法第57条違反となり、同法118条によって
6カ月以下の懲役又は十万円以下の罰金が科せられます。
①罰則対象
法律では「その行為を行った者」と定められている為、運転手が罰則対象となります。
違法行為は、そこへ至るまでの過程がどうあれ、行った者には処罰が与えられるのです。
②会社も罰則対象
違法行為を会社が黙認していた場合は、会社も罰せられます。
例えばナンバープレートを表示せずに公道を走らせた場合は、道路運送車両法111条により会社にも
罰金刑が科されます。
※会社の指示等で労働者に運転を強要した場合は、会社には重い罰則が科せられ、労働者も罪に
問われることになります。
公道走行が必要な場合は、以上の事を十分に理解した上で走行するようにしてください。
■公道走行を伴う事例
近場、道路横断等の公道走行が伴う積載運搬の方法としては、積載可能な車輌(トラック等)が
思いつきますが、より効率的に運搬を可能とする車輛があります。
それは、市場関連等で活躍する「マイテ―カー」や「ターレットトラック」です。
※これらの車輌は、「小型特殊自動車」として登録が可能で積載するお荷物に対し荷台部分も
カスタムが可能です。